天正さんちの家族ごっこ〜私に異母兄弟が七人もいる件について〜
第5戦:三男の桜前線異常ありな件について
夕食を食べ終えて、部屋で宿題をして。丁度一段絡着いた所で、コンコンとノックの音が聞こえてきた。返事をして扉を開けると、部屋の前に道松兄さんが立っていた。
兄さんは、ずいと私の鼻先に真っ白の小さな箱を突き出して、
「やる」
と一言、簡単に言った。
なんだろう。私は首を傾げさせたまま箱を開ける。すると中にはプリンが入っていた。
「なんですか、これ?」
「なにって、プリンだ」
いや、それは分かるよ。そうじゃなくて、どうして私にプリンをくれるの?
兄さんは、
「別に」
いらないならいいって、箱を取ろうとする兄さんの手を私は慌ててかわした。
やったあ……! どうしてくれたのか分からないけど、兄さんがくれたプリンは、スーパーやコンビニで売っているものじゃなくてケーキ屋さんのプリンで。
まあ、スーパーのお買い得プリンも、あれはあれでおいしいけどね。でも、やっぱりケーキ屋さんのプリンは特別だよね。
せっかくだから、お風呂上がりに食べよう。
私はプリンを冷蔵庫にしまうと、鼻歌を口遊みながらお風呂に入った。
ゆっくり湯船に浸かって体を癒して、髪も乾かして準備万端。スプーンを片手に、いざプリンを食べようと冷蔵庫を開ける。
だけど。
「あれ……、プリンがない……」
兄さんは、ずいと私の鼻先に真っ白の小さな箱を突き出して、
「やる」
と一言、簡単に言った。
なんだろう。私は首を傾げさせたまま箱を開ける。すると中にはプリンが入っていた。
「なんですか、これ?」
「なにって、プリンだ」
いや、それは分かるよ。そうじゃなくて、どうして私にプリンをくれるの?
兄さんは、
「別に」
いらないならいいって、箱を取ろうとする兄さんの手を私は慌ててかわした。
やったあ……! どうしてくれたのか分からないけど、兄さんがくれたプリンは、スーパーやコンビニで売っているものじゃなくてケーキ屋さんのプリンで。
まあ、スーパーのお買い得プリンも、あれはあれでおいしいけどね。でも、やっぱりケーキ屋さんのプリンは特別だよね。
せっかくだから、お風呂上がりに食べよう。
私はプリンを冷蔵庫にしまうと、鼻歌を口遊みながらお風呂に入った。
ゆっくり湯船に浸かって体を癒して、髪も乾かして準備万端。スプーンを片手に、いざプリンを食べようと冷蔵庫を開ける。
だけど。
「あれ……、プリンがない……」