天正さんちの家族ごっこ〜私に異母兄弟が七人もいる件について〜
桜文兄さんと一緒に帰るようになってから数日が経って。例の男は桜文兄さんが一緒だからか、すっかり姿が見えなくなっていた。
それから初めは桜組の人までついてきて恥ずかしかったけど、でも、慣れって怖いな。適応力とでも言うのかな。いつの間にか羞恥心は消え、今では桜文兄さんにお願いして良かったと思う。
そんなことを机に座って考えていると、部屋の外からコンコンとノックの音が聞こえてきた。返事をして促すと、桜文兄さんが入って来た。
「牡丹ちゃん、明日は土曜日だけど部活はあるの?」
「はい。午後からですが」
「そっか。俺、その日は他校と練習試合があるんだけど、相手先の学校で行われるんだ。だから牡丹ちゃんと一緒に帰れないんだけど、菊くんも明日、部活で学校に行くんだって。だから明日は菊くんと帰ってね」
「えっ、菊と……?」
桜文兄さんは菊には話がつけてあるからと続けると、のそのそと部屋から出て行った。
だけど。
あの菊が私と一緒に帰ってくれるなんて。とても思えない。だからといって、菊に、
「一緒に帰ってくれるの?」
なんて、直接訊く勇気もなくて……。
それから初めは桜組の人までついてきて恥ずかしかったけど、でも、慣れって怖いな。適応力とでも言うのかな。いつの間にか羞恥心は消え、今では桜文兄さんにお願いして良かったと思う。
そんなことを机に座って考えていると、部屋の外からコンコンとノックの音が聞こえてきた。返事をして促すと、桜文兄さんが入って来た。
「牡丹ちゃん、明日は土曜日だけど部活はあるの?」
「はい。午後からですが」
「そっか。俺、その日は他校と練習試合があるんだけど、相手先の学校で行われるんだ。だから牡丹ちゃんと一緒に帰れないんだけど、菊くんも明日、部活で学校に行くんだって。だから明日は菊くんと帰ってね」
「えっ、菊と……?」
桜文兄さんは菊には話がつけてあるからと続けると、のそのそと部屋から出て行った。
だけど。
あの菊が私と一緒に帰ってくれるなんて。とても思えない。だからといって、菊に、
「一緒に帰ってくれるの?」
なんて、直接訊く勇気もなくて……。