天正さんちの家族ごっこ〜私に異母兄弟が七人もいる件について〜
 父親が同じ……。

 梅吉さんの言葉を聞いて、私は大切なことを思い出した。どうして忘れていたんだろう。きっとイケメン達に圧倒されちゃったからだ。

 私は思わずその場に立ち上がって、
「あっ、あの! お父さんは!? 私とお母さんを捨てた、お父さんはどこに……!」

 いけない、そうだよ。私はお父さんに文句を言うために、ここに来たんだった。

 当初の目的を思い出すと、私はきょろきょろと部屋の中を見回す。だけど目に入るのは同じ年頃くらいのイケメンばかりで、それらしい人物は見当たらない。

 それどころか私の腹違いのお兄さんらしい人達は、なぜか私を困ったような顔で見つめてくる。

 誰もが黙り込んでいる中、一人だけ、やっぱり梅吉さんが遠慮深げに手を挙げた。
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