天正さんちの家族ごっこ〜私に異母兄弟が七人もいる件について〜
昨日に引き続き、今日も梅吉兄さんのせいで無駄に疲れて。私は家に帰るなり、リビングでテレビを観ていた梅吉兄さんの元に詰め寄った。
兄さんは私に気付くと顔を向け、
「おっ、牡丹。映画のDVDを借りてきたんだけど一緒に観るか?」
おもしろいぞと続ける兄さん。なんて能天気な……。頭が痛くなってきた。
私は頭を押さえながらも兄さんをじとりと捉え、
「兄さん、いい加減にした方がいいと思います!」
きっぱりと言ってやった。
「はあ? いい加減にしろって、なにがだよ?」
「だから無闇に女の子と遊ぶのをですよ。今日の放課後だって駒重さんに追いかけ回されてたじゃないですか」
「なんで牡丹が知ってるんだ?」
「見かけたからです。その上、駒重さんは私のこと、兄さんの彼女だと勘違いしていて。誤解は解けましたが、今度は穂北先輩に怒られるし……」
「なんでそこで穂北の名前が出てくるんだよ? でもアイツ、おもしろいだろう? いやあ、アイツのでこっぱち具合を見ると、将来きっとハゲるよなあ、うん、うん」
「兄さんってば、真面目に聞いてくださいよ!」
私は兄さんのことを叱りつけるけど、でも、やっぱり兄さんはどこ吹く風だ。
だけど、今日こそは言ってやらないと! 私は気を引き締める。
兄さんは私に気付くと顔を向け、
「おっ、牡丹。映画のDVDを借りてきたんだけど一緒に観るか?」
おもしろいぞと続ける兄さん。なんて能天気な……。頭が痛くなってきた。
私は頭を押さえながらも兄さんをじとりと捉え、
「兄さん、いい加減にした方がいいと思います!」
きっぱりと言ってやった。
「はあ? いい加減にしろって、なにがだよ?」
「だから無闇に女の子と遊ぶのをですよ。今日の放課後だって駒重さんに追いかけ回されてたじゃないですか」
「なんで牡丹が知ってるんだ?」
「見かけたからです。その上、駒重さんは私のこと、兄さんの彼女だと勘違いしていて。誤解は解けましたが、今度は穂北先輩に怒られるし……」
「なんでそこで穂北の名前が出てくるんだよ? でもアイツ、おもしろいだろう? いやあ、アイツのでこっぱち具合を見ると、将来きっとハゲるよなあ、うん、うん」
「兄さんってば、真面目に聞いてくださいよ!」
私は兄さんのことを叱りつけるけど、でも、やっぱり兄さんはどこ吹く風だ。
だけど、今日こそは言ってやらないと! 私は気を引き締める。