純恋歌
後日、その一方で

「あんなんと付き合うなんて上島君センスないよね」

「あれが行けるなら私が告れば良かった」

そういった妬む声がちらほら耳に入ったりもした。

俺は気にしないけど彼女は気にする人だった。

「ごめん」

「え、うん、わかった」

耐えきれなくなった彼女に付き合って1ヶ月と経たずにフラれた。

それから数日後

別のクラスの女子に告白されて付き合った。

さばさばした性格の子で前の彼女とは違って周りの声とかは気にしない感じの子だった。

ただ、厳格な両親に育てられててお嬢様なんかなと思った。

「良かったら家に来ない?」

休みの日遊びに行った。

「晩御飯食べて行きなよ」

「いやいいよ、帰るよ」

「もう剛の分も作ってあるから」

「え?そうなの?まじかぁ」

嫌だったけど仕方なしに食べる事とした。

「いただきます」

「はい、どうぞ」

「上島君はご両親は何されてるの?」

「えっと、両親は共に居ないです」

「え?そうなの?」

それから色々根掘り葉掘り彼女のお母さんに聞かれた。

出身中学、クラブ活動、目指す大学、両親の最終学歴etc

両親が児童施設出身だとか言わなくても良い情報までも気づいたら話ししてた。

「ごめん」

翌日フラれた。

まあそうだろうなと思った。昨日の彼女の親との会話で良い反応が全くなかったのでフラれる覚悟はしていた。親が反対するのに付き合えれないよなと思った。

「付き合ってください」

「うん、良いよ」

「ごめんなさい」

「え?」

その後も告白されて付き合うはフラれるという流れが続いた。

付き合ってもすぐに別れて別の人と付き合うからチャラ男のレッテルが貼られた。

瞬く間に学年中の女子の間に俺の噂が広がった。

(女遊びや浮気しなくてもチャラ男って言われるんだ)

悩みはしなかったが流石に凹んだ。
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