純恋歌
休みの日、僕の家にハンバーガー屋で買ったバニラシェイクとアップルパイをテイクアウトした美咲がやってきた。
高校の時のボーカルとライブする報告したら美咲は興奮した。
「あ!あの体育館に人が入りきらなくて正門の方まで観客が溢れてた伝説の3-Arrowsのボーカルの人と?バンド甲子園で日本一になったんだよね!」
文化祭のライブは噂がさらに噂を生みどんどん話しが大きくなり、かなり捏造されていた。
とりあえず何から否定したら良いかわからないから
「そうそう!」
と、言っといた。
「ねぇ?一つ聞きたいんだけど」
「いつの間に自分の一人称を俺から僕に変えたの?」
「ああ、拓郎が【おを】失ってから」
「へぇ、そうなんだ」
そう言う彼女はバニラシェイクの蓋を開けアップルパイをディップさせて食べた。
「え!何その食べ方!」
「外じゃ流石にこの食べ方出来ないからね、美味しいよ?」
若干引き気味に見てた僕に一口食べさせてきた。
「ほんとだ美味しい!」
「相変わらず食べ物でご機嫌になるんだね」
そう言う僕の姿に美咲も機嫌良くなっていた。
後日、スタジオ練習で久々に拓郎と出会い、歌を聞いたら
(こいつの歌声は上手いだけじゃなくて人を惹きつける何かがある)
プロに共通するカリスマ性を実感した。
録音したシングル曲『矢印』のデモテープに手紙を添えていくつものプロダクションに送ってみた。
曲を少しでも聞いてくれたらワンチャンいけるかも。
そう思っていた。
ライブ当日緊張もあったがそれ以上に楽しみが勝っていた。
けれど、矢印の演奏が始まり拓郎が倒れた瞬間、僕の声にならない叫び声がライブハウスに響いた。
こっちを見て倒れる拓郎を見て拓郎が死んでしまったと思った。
目が覚めた拓郎を見て安心したが【あ】【い】【う】を失った拓郎を知り絶望した。
高校の時のボーカルとライブする報告したら美咲は興奮した。
「あ!あの体育館に人が入りきらなくて正門の方まで観客が溢れてた伝説の3-Arrowsのボーカルの人と?バンド甲子園で日本一になったんだよね!」
文化祭のライブは噂がさらに噂を生みどんどん話しが大きくなり、かなり捏造されていた。
とりあえず何から否定したら良いかわからないから
「そうそう!」
と、言っといた。
「ねぇ?一つ聞きたいんだけど」
「いつの間に自分の一人称を俺から僕に変えたの?」
「ああ、拓郎が【おを】失ってから」
「へぇ、そうなんだ」
そう言う彼女はバニラシェイクの蓋を開けアップルパイをディップさせて食べた。
「え!何その食べ方!」
「外じゃ流石にこの食べ方出来ないからね、美味しいよ?」
若干引き気味に見てた僕に一口食べさせてきた。
「ほんとだ美味しい!」
「相変わらず食べ物でご機嫌になるんだね」
そう言う僕の姿に美咲も機嫌良くなっていた。
後日、スタジオ練習で久々に拓郎と出会い、歌を聞いたら
(こいつの歌声は上手いだけじゃなくて人を惹きつける何かがある)
プロに共通するカリスマ性を実感した。
録音したシングル曲『矢印』のデモテープに手紙を添えていくつものプロダクションに送ってみた。
曲を少しでも聞いてくれたらワンチャンいけるかも。
そう思っていた。
ライブ当日緊張もあったがそれ以上に楽しみが勝っていた。
けれど、矢印の演奏が始まり拓郎が倒れた瞬間、僕の声にならない叫び声がライブハウスに響いた。
こっちを見て倒れる拓郎を見て拓郎が死んでしまったと思った。
目が覚めた拓郎を見て安心したが【あ】【い】【う】を失った拓郎を知り絶望した。