純恋歌
周囲を見渡すも受験シーズンに入ってるクラスでそんな馬鹿な事に付き合う人は居ない、みんな顔を背ける。

「おいおい誰も行かねーのかよ?」

「びびってんじゃねーよ?」

そう言う岡田と野村も自分より強い者に喧嘩を仕掛けたりするどころか殴り合いの喧嘩をしたのを一度も見たり聞いたりした事がない。

「とりあえず今日放課後、公園に集合な」

「わかった」

勝手な予想だがこのまま公園に集合してもそのままたむろして時間になったら解散するんだろうなと思った。

つかつかと歩く前田が急に僕の方に近づいてきた。

「え?なに?」

前田の顔が不機嫌になってるので体が怖さから萎縮してしまう。

ただ僕は普通に座ってただけだったが

「何がおかしいんだてめえ?」

バンッッッ

前田の持ってる鞄で側頭部を殴られた。

完全にとばっちりを受けた。

そして気がついたら保健室で寝ていた。

「いててて」

「大丈夫?突然こけたんですって?」

目が覚めた僕に保健室の先生が話しかけてきた。

「野村君と岡田君が運んできてくれたのよ」

「そうですか…」

本当はちゃんと理由を言わないといけない事はわかってるけど卒業まであと少しだし我慢しようと思って起き上がった。

「痛むようなら念のため病院に行くのよー」

と言われる先生の言葉を後に保健室を出た。
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