純恋歌
ある日、母に用事があり母の働く病院の待合室で終わるのを待っていた。
「こら!」
女性の怒る声が聞こえると座ってる私の目の前をビュンっと男の子が走り去っていき
(あ!危ない!)
別の男の子にぶつかりそうになっていた。
結局ぶつかりはしなかったが尻もちをついた男の子は立ち上がり歩き出すも少ししたらよろけだしてふらふらと倒れた。
「大丈夫ですか?大丈夫ですか?」
私はすぐに駆け寄り声をかけるも反応はなく近くに居た看護婦さんに大きな声で知らせた。
「ありがとねさっきは」
仕事終わり母にお礼を言われた。
「ううん、ただちょっとびっくりした」
「だよね、目の前で人が倒れたら誰だってびっくりするよね」
カフェに入り母はホットコーヒーを二つ頼んだ。
「で、どうしたの今日は?話しって?」
家に居た時は父と喧嘩が絶えないからなのか常にイライラして余裕がないように見えた母だったが今は心に余裕があるのかそんな様子は見当たらなかった。
だから無理なのはわかってる。
けどどうしてもお願いしたかった。
「お母さん、戻って来て?」
母は私が言う事をわかっていたようだった。
「ごめんね」
たった一言だった。
落ち込む私に母は続けて質問してきた。
「ちなみになんで?お父さん怖い?家の事がしんどい?」
私はお父さん優しいし、家の事は忙しいけどしんどいとは思わないから首を横に振って私は泣きながらこたえた。
「お母さんが居ないと寂しい…」
言葉を放った瞬間、静かな空気が流れた。
自分で言ったものの言う事で母を困らせると思った私はうつむき母の顔を直視できなかった。
「こちらホットコーヒーです、砂糖とミルクはこちらです」
カチャっと店員さんが置いた無機質な音が静かな店内で私の耳にこだました。
こんな無機質で怖いと思う音は初めてだった。
「ごめんね。戻れない」
母の目には涙はなく私達家族に同情の余地なんて全くないのだなと思い余計に辛かった。
「こら!」
女性の怒る声が聞こえると座ってる私の目の前をビュンっと男の子が走り去っていき
(あ!危ない!)
別の男の子にぶつかりそうになっていた。
結局ぶつかりはしなかったが尻もちをついた男の子は立ち上がり歩き出すも少ししたらよろけだしてふらふらと倒れた。
「大丈夫ですか?大丈夫ですか?」
私はすぐに駆け寄り声をかけるも反応はなく近くに居た看護婦さんに大きな声で知らせた。
「ありがとねさっきは」
仕事終わり母にお礼を言われた。
「ううん、ただちょっとびっくりした」
「だよね、目の前で人が倒れたら誰だってびっくりするよね」
カフェに入り母はホットコーヒーを二つ頼んだ。
「で、どうしたの今日は?話しって?」
家に居た時は父と喧嘩が絶えないからなのか常にイライラして余裕がないように見えた母だったが今は心に余裕があるのかそんな様子は見当たらなかった。
だから無理なのはわかってる。
けどどうしてもお願いしたかった。
「お母さん、戻って来て?」
母は私が言う事をわかっていたようだった。
「ごめんね」
たった一言だった。
落ち込む私に母は続けて質問してきた。
「ちなみになんで?お父さん怖い?家の事がしんどい?」
私はお父さん優しいし、家の事は忙しいけどしんどいとは思わないから首を横に振って私は泣きながらこたえた。
「お母さんが居ないと寂しい…」
言葉を放った瞬間、静かな空気が流れた。
自分で言ったものの言う事で母を困らせると思った私はうつむき母の顔を直視できなかった。
「こちらホットコーヒーです、砂糖とミルクはこちらです」
カチャっと店員さんが置いた無機質な音が静かな店内で私の耳にこだました。
こんな無機質で怖いと思う音は初めてだった。
「ごめんね。戻れない」
母の目には涙はなく私達家族に同情の余地なんて全くないのだなと思い余計に辛かった。