純恋歌
夏休みも朝から晩まで弟はずっとスケボーをガーガー滑ってた。

陰キャの私は陽キャの人達がやる遊びの面白さがイマイチわからないと思った。

「陽キャ?陰キャ?なんそれ?」

不思議そうに聞き返す弟。

「いや、なんでもない」

わからんなら良いよ。

「そう言えば、栗原君もそこに居て姉ちゃんによろしく言っといてって言ってたよ」

久々にこんな長い文章を弟の口から聞いたな姉ちゃん嬉しいぜ。

「あと、姉ちゃん誕プレに何が欲しいかなって聞かれた」

「スクールバッグ。オシャレなの。高校で使いたい」

「わかった今度会ったら伝えとく」

「頼んだ!」

私は遠慮しない性格だった。

来る者は拒むが来る物は拒まず。母からの教えだ。

「ちなみに姉ちゃん自分の指輪のサイズはわかる?」

「……わからないからあげない方が良いって言っといて。指輪アレルギーあるとか適当に言っといて」

ちなみに付き合ってもないのに好きでもない人からの指輪だけは断固拒否だ。そんなもんひくっちゅうねん。

夏休みが明け、相変わらず私へワンチャン告白チャレンジは続いてるのか過去にOKした奴から対策法を聞いて攻略してくる奴も居たりした。

「ごめん」

「そこをなんとか!」

「えぇ、しつこい」

「ちなみに何が欲しい?」

「え!?可愛いイヤリング」

「それあげるから!」

「………」

「ねぇ、弟の情報知りたくない?ほら弟と俺同じ部活だよ?」

「すんごい知りたい!!」

こうしてサッカー部のエース堀口君(2年生)と付き合うようになった。

「ねぇ、真は部活ではどんな感じ?」

「真は彼女居ないよね?ね?ね?」

「真なんか私の事言ってなかった?ねぇ、情報屋?」

そして弟の情報が尽きた3ヵ月後に別れた。
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