純恋歌
「この前、弟のまー君から聞いたんだけどさ、その彼ね最近お母さん亡くなったらしいの」

「え?そうなの?」

「うん…しかもお父さんはね…」

その後も弟の真彦君から聞いた情報や瀬戸中学に進んだ友達から得た情報を泣きながら話すので

「ふえぇぇぇぇん!ウェッ、ウェッ」

私はえずくぐらい泣いた。

「わかった!応援する!私この恋応援するよっ!」

私は意外と情に弱いんだと気づいた。

「で、私は何を手伝えばいいわけ?」

そもそも私は引っ越して地元を離れてるんだから瀬戸中に通ってる友達に頼めば良いんじゃないかと言いそうになるが受験シーズンにこんな野暮な事に付き合う暇人はきっと私ぐらいなんだろうなと勝手に思って勝手に解決した。

「バレンタインデーに家にチョコ届けたいから付いてきて」

「家は知ってるの?」

「調べてちゃんと彼が家に出入りしてる所確認してるから大丈夫」

「明菜だからセーフだけどそれ他の人がやってたら完全にアウトだからね」

じゃあその日、バレンタインデーは学校終わったら明菜の家に行くねと言ったらその日はなんと私の高校の試験日で入試試験受けてそのまま明菜の家に行きましたよ。ほんとびっくり。何してんの私。こんな事してて良いの私って思った。

「なんか忙しいのにごめんね」

「ううん、明菜の頼みだもん」

そう言って明菜は前日に準備してた冷凍してたチョコを出して一緒にラッピングして可愛く仕上げた。

「どうやって渡すの?」

「あ、まー君が助けてもらったお礼言えてないから言いたいみたいだから弟に渡すの頼もうと思って」

そう言って真彦君はモー娘。のベストアルバムをお礼にと持ってきた。
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