純恋歌
大学に入り、お互い新生活が始まり忙しくあっという間に月日は過ぎて行った。
8月、拓郎がライブするので私は友達を誘ってライブを見に行った。
全部で6つのバンドが出る中で3-Arrowsは5番目だった。
一部の人の間では3-Arrowsは都市伝説扱いされていた。
「キャッ」
「え、やばカッコいい」
ライブ当日、スリアロのメンバーが暗い中で準備を進めてると女性の喜ぶ声が聞こえる。
「がるるるるる!近づくんじゃねぇぞ!お前らメス共め!」
周囲の人達に言いたくなる気持ちを抑えて私は最前列ど真ん中で拓郎を眺める。超アリーナ席だ。
「いや、口に出てたよ」
一緒に行った女友達に言われた。
演奏が始まり歌声が聞こえると会場は一気に盛り上がり、私は感動して聞き惚れていた。
次が最後の曲となり会場から寂しそうな声が上がるが私は高校の文化祭で『矢印』を聞いてから大好きだったから早く聞きたくて堪らなかった。
演奏が始まった途端後ろを向いた拓郎がよろけてこけた
「拓郎…?拓郎ー!」
上島君の声がマイクを通しライブハウスに響いた。
私はパニックを起こし一緒に居た友人に震える体を強く抱きしめられていた。
その日病院に運ばれた拓郎の元を訪れたが目を覚ます気配はないものの命に別状はないと聞かされひとまず安心した。
「今日はもう遅いから帰りなさい」
翌朝、病院に行く前に私は平常心でいようと決めてた。
病室に着いた彼はベッドに座り窓の外を眺めていた。
「拓郎?」
入り口から名前を呼ぶが反応がない。
キュッと胸が痛くなる。
「亜依子だよ?」
やっぱり反応がない。
彼の元へ行き抱きしめた。
「何かわからない言葉ある?」
そう聞くが反応が良くない。
(この中に消えた文字があるのかな?)
しばらく拓郎を眺めてると自分のネームプレートを見た後に私の顔を見て
「えっと」
そこから続く言葉が出て来ないように見えた。
拓郎の目からつーっと涙が流れる姿を見て私の名前が呼べなくなったと確信し、私は泣き崩れてしまった。
8月、拓郎がライブするので私は友達を誘ってライブを見に行った。
全部で6つのバンドが出る中で3-Arrowsは5番目だった。
一部の人の間では3-Arrowsは都市伝説扱いされていた。
「キャッ」
「え、やばカッコいい」
ライブ当日、スリアロのメンバーが暗い中で準備を進めてると女性の喜ぶ声が聞こえる。
「がるるるるる!近づくんじゃねぇぞ!お前らメス共め!」
周囲の人達に言いたくなる気持ちを抑えて私は最前列ど真ん中で拓郎を眺める。超アリーナ席だ。
「いや、口に出てたよ」
一緒に行った女友達に言われた。
演奏が始まり歌声が聞こえると会場は一気に盛り上がり、私は感動して聞き惚れていた。
次が最後の曲となり会場から寂しそうな声が上がるが私は高校の文化祭で『矢印』を聞いてから大好きだったから早く聞きたくて堪らなかった。
演奏が始まった途端後ろを向いた拓郎がよろけてこけた
「拓郎…?拓郎ー!」
上島君の声がマイクを通しライブハウスに響いた。
私はパニックを起こし一緒に居た友人に震える体を強く抱きしめられていた。
その日病院に運ばれた拓郎の元を訪れたが目を覚ます気配はないものの命に別状はないと聞かされひとまず安心した。
「今日はもう遅いから帰りなさい」
翌朝、病院に行く前に私は平常心でいようと決めてた。
病室に着いた彼はベッドに座り窓の外を眺めていた。
「拓郎?」
入り口から名前を呼ぶが反応がない。
キュッと胸が痛くなる。
「亜依子だよ?」
やっぱり反応がない。
彼の元へ行き抱きしめた。
「何かわからない言葉ある?」
そう聞くが反応が良くない。
(この中に消えた文字があるのかな?)
しばらく拓郎を眺めてると自分のネームプレートを見た後に私の顔を見て
「えっと」
そこから続く言葉が出て来ないように見えた。
拓郎の目からつーっと涙が流れる姿を見て私の名前が呼べなくなったと確信し、私は泣き崩れてしまった。