純恋歌

僕はそんな二人を横目で見つめ、彼女と

「そんなに会いたかったんだね」

「中々会えなかったんだよ」

小声で会話しながら存在を消す事に必死だった。

「聞いてくれたの？」

女性の問いに

「うん、いっぱい聞いた」

男性は自分の胸に拳を叩いていた。

それからも雨足は弱くなるものの止む気配がなく

男性が空を眺めながら女性に優しい声で言った。

「雨が止みませんね」

その言葉を聞いた女性は

「きっと………月も綺麗ですよ」

そう言い二人はゆっくり二人は抱き合っていった。

「二人の邪魔しちゃいけないから行こ」

そう言う彼女の言葉に僕達は雨が小降りになった事もあり雨宿りを止め歩き出した。

「あれ？月なんて出てなくない？」

空を見上げて言う僕に彼女は

「ふふふ、え？さっきの言葉の意味を知らないの？風情がないねぇ」

意地悪そうに笑って言った。

「え？なに？教えてよ」

そう言う僕に彼女は

「良いよ教えてあげるこの話しはね…」

ゆっくり語り出した。