純恋歌
理不尽な痛み
「松本ー！松本ー！」

教室に入り椅子に座ってる僕に同じクラスの男子2人が話しかけてきた。

「名前呼んでんだから無視すんなよ！」

クラスのお調子者の岡田が怒りながら言ってきた。

「ああ、ごめん」

「なぁ、もう学校来ても良いのかよ？今日クラスマッチ出れるのか？」

「うん」

僕の返事にもう一人のお調子者でナルシストの野村がオーバーリアクションに言ってきた。

「かぁー！マジか！クラスマッチ休んだ方が良いんじゃない！？」

「え…でも出れるから」

「な！悪い事は言わない！無理すんなって！」

「最後だから出たいなって」

「だけど俺は心配なんだ！」

出ようとする僕に野村はしつこい粘りで休むように言う。

「つか、てめえが出ると迷惑だから出んな。しばくぞ」

教室の端からまるで弓から放たれた矢のように冷めた言葉が僕の耳に突き刺さった。

言い放ったのはこのクラスの中心人物の前田。

中心人物と言うかヤンキー。

昨日も何処かで喧嘩をしたのか顔に傷をつくっていた。そしてすこぶる機嫌が悪かった。

まだどうするかも返事をしてないけど取り囲んでたお調子者の2人のクラスメイトが

「ま、そういう事だから」

僕の肩をぽんぽんと叩いて自分の席に戻っていった。
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