純恋歌
サドルフルスイング
しかし、そんな天下一武闘会が開かれてるなんて俺達は知らず、知ってたら巻き込まれる事なく回避してたのにと今でも悔やむ。

「上島君を呼んでる人が校門に居るんだけど」

下駄箱で靴を履こうとしてたら話しかけられた。

「可愛い女の子？」

「ううん、可愛くない男の人達」

同じ学校の名前も顔も知らない人に話しかけられ校門を見ると金色に輝く頭皮をした知らない顔ぶれが並んでいた。

「うわ…絶対嫌だ」

行きたくないと思った。

なので校門じゃなくフェンスをよじ登り見つからないように大人しく家に居ようと思いながら足速に帰った。

それから家に着いて荷物をおろしたらモーニング娘。のベストアルバムが発売されてる事を思いだした。

「そうだ！モーニング娘。CDを買いに行こう！」

大きな独り言をつぶやき着替えて財布を持ってルンルンに家を出た。

自転車漕いでると学校近くの公園にヤンキーがたむろしてた。

「あれ？翼？」

学生服のままの翼ともう一人のクラスメイト。

雰囲気からしてさっき俺を待ってたヤンキー達。

（そういや家から出ないで居ようって思ってたの忘れてたわ。どうしよう…大丈夫かな）

不安なまま隠れて見てると翼が蹴られてて相手6人に囲まれて一方的にやられてるように見えた。

喧嘩を売られても無視できるぐらいに大人になったが仲間がやられて無視できるほど大人になれてない俺は自転車で加速して

「え！やばい！チャリチャリ！」

「なんかこっちに来てない？」

周囲がざわつく中

「うおぉぉぉらー！」

一人の男に突っ込んだ。

ガッシャーン

そいつは地面に転げて悶えた。

「剛！？」

「やるぞ！殴れ殴れ！」

翼の驚く声に奮い立たせるように翼達を煽った。
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