純恋歌
「中学生活も後少しで終わるの」

「受験が始まるね」

「大輔は行きたい高校決めた？」

「いいや、まだ」

「拓郎は？」

「うーん。少し離れてるんだけど広川高校で考えてる。僕がお世話になってる病院が近いから親がそこにしてくれって」

「ほっか」

間違いなくウチの中学からは僕一人がそこに通う事になると思う。

ちなみにイジメと言っても集団での暴力はあまりなくパシリに使われたりとかもなく、基本は空気扱いにされてるだけ。

何人かのグループを組めとなったら、たらい回しにされ余る感じ。

僕と同じグループにさせられた人達から軽く罵声や小突かれたりがあるかな。

あ、前田だけは僕の事殴ってくるわ。

「つか、朝から気になってたんじゃが、その頭の怪我はどしたん？」

「あ、うん。なんか悪ふざけで空のペットボトルを僕に投げて来たのを避けたらバランス崩して机の角でおでこぶつけちゃって…」

「は？」

「あ、でもめんどくさいから自分でコケたって事にしといた。親にも心配かけたくないし」

けど、本人達はそれはイジメじゃなくてイジリだと言うだろうし大人になった今も大して気にする出来事として記憶に残ってない。

僕自身もテレビで見るようなイジメと比べて大した事ないとは思っている。
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