そのラインを越えて

ラインを越えて


少年達と別れてから。



「ね、のど渇かない?」

「あ、はい。ちょっと何か飲みたいかも……」



私達はN駅前の大通り沿いにあるカフェまで歩く。

歩いている途中で蒼生くんが、
「内容の濃い1日でしたね」
と、話しかけてくれた。

嬉しい!



「そうだよねー、濃い1日だったよね!でも楽しかったぁ!」



笑顔で返事をすると、蒼生くんもふっと笑ってくれた。



(何?なんか、表情が柔らかくなってない?)



蒼生くんの笑顔が嬉しくて、頭の中でダンスするくらいに浮かれてしまう。



「……オレ、田中さんのことをずっと誤解していました」

「え?」

「派手な見た目だから……、その、ギャル系の、苦手なタイプの人だって思ってて」



うっ……。

やっぱり。



「きっと怖い人なんだって決めつけてたんです。ごめんなさい。……でも、そうじゃないって、今なら分かります」

「えっ?」


< 37 / 41 >

この作品をシェア

pagetop