そのラインを越えて
ラインを越えて
少年達と別れてから。
「ね、のど渇かない?」
「あ、はい。ちょっと何か飲みたいかも……」
私達はN駅前の大通り沿いにあるカフェまで歩く。
歩いている途中で蒼生くんが、
「内容の濃い1日でしたね」
と、話しかけてくれた。
嬉しい!
「そうだよねー、濃い1日だったよね!でも楽しかったぁ!」
笑顔で返事をすると、蒼生くんもふっと笑ってくれた。
(何?なんか、表情が柔らかくなってない?)
蒼生くんの笑顔が嬉しくて、頭の中でダンスするくらいに浮かれてしまう。
「……オレ、田中さんのことをずっと誤解していました」
「え?」
「派手な見た目だから……、その、ギャル系の、苦手なタイプの人だって思ってて」
うっ……。
やっぱり。
「きっと怖い人なんだって決めつけてたんです。ごめんなさい。……でも、そうじゃないって、今なら分かります」
「えっ?」