甘くてとろける、そんなキスを。

なのに、先輩は……



『好きな人……か。山崎だって言ったらどうする?』


『え?』



先輩の口から出た言葉は意外なもので。


私は自分で聞いたくせにびっくりして固まった。じ、冗談だよね。



『せ、んぱい?』


『俺は……美奈のことが好きだ。俺と付き合って欲しい』


『………っ!』



今まで苗字でしか私の名前を呼ばなかったのにサラッと私を名前で呼んでくれた。


………本当に?


本当に先輩は私のことが好きなの?


叶わないと思っていた私の恋。


まさかこんな形で先輩から愛の告白をしてくれるなんて。



『私も……私も先輩のことが好きです!』



先輩の腕の中に飛び込み、想いを伝えた。


それからは……先輩が私のくちびるに甘いキスを落として。


とろけそうになりながら、先輩の彼女になった。



それからは幸せな日々を送った。


ラブラブなカップル……とはまた違って毎日一緒に過ごせてはいないけど私はそれでも幸せで。
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