甘くてとろける、そんなキスを。
先輩の彼女ってだけで最高だった。
………のに。
ある日の夜、お父さんに呼び出されて書斎に入った。
お父さんから呼び出されるなんて珍しい……。
ドキドキしながら私はお父さんの言葉を待った。
『美奈、お前に婚約者を紹介する』
『こん、やくしゃ……?』
そのことを聞いて頭が真っ白になった。私に、婚約者……。そんな人、いたの?
私はすぐに反応が出来ずに呆然と立ちすくむ。
私には……黒島優太って言う大好きな彼氏がいるのに。なんで……今になって婚約者を紹介されなきゃいけないの?
頭の中は混乱して息をするのも苦しい。
『美奈、この人……知ってるか?この人がお前の婚約者だ』
『えっ………なんで。嘘っ!』
写真を見せられ私は思わず声をあげるだってその写真には……私の大好きな先輩が写っていたから。
『お前はこれからこの人と暮らしてもらう』
ど、同居?
私の彼氏と……同居するの!?