甘くてとろける、そんなキスを。

先輩の彼女ってだけで最高だった。


………のに。


ある日の夜、お父さんに呼び出されて書斎に入った。


お父さんから呼び出されるなんて珍しい……。


ドキドキしながら私はお父さんの言葉を待った。



『美奈、お前に婚約者を紹介する』


『こん、やくしゃ……?』



そのことを聞いて頭が真っ白になった。私に、婚約者……。そんな人、いたの?


私はすぐに反応が出来ずに呆然と立ちすくむ。


私には……黒島優太って言う大好きな彼氏がいるのに。なんで……今になって婚約者を紹介されなきゃいけないの?


頭の中は混乱して息をするのも苦しい。



『美奈、この人……知ってるか?この人がお前の婚約者だ』


『えっ………なんで。嘘っ!』



写真を見せられ私は思わず声をあげるだってその写真には……私の大好きな先輩が写っていたから。



『お前はこれからこの人と暮らしてもらう』



ど、同居?


私の彼氏と……同居するの!?
< 5 / 8 >

この作品をシェア

pagetop