勇者からのプロポーズはお断りいたします。
☆☆☆
ユリアナが転移魔法で辿り着いた場所は、エンディングのちょっと前までいた魔王城と呼ばれる場所。転移魔法は黒魔導士には使えないし、むしろ聖女しか使えない。それにこの魔王城は、あっちとちょっと次元が違うから、クリスもすぐには追ってこないだろう。
とにかく、あのヒロインとクリスが出会うまで、クリスからのプロポーズから逃げなければならないと考えた。
いや、いっそのこと他の人と結婚してしまえばいいんじゃない?
そんなことまでユリアナは考えていた。
だったら相手は誰? 続編に出てこないキャラがいいなぁとか、そんなことを考えていて辿り着いたのがこの魔王城。
魔王は倒された。けれど、多分、死んではいない。ゲーム内では倒されたという表現しかしていないから。多分、生きている、と思う。
「こんにちは」と恐る恐る門を開けてみる。魔王を倒す前は封印されていて、その封印を解かなければ開けることができなかった門。今回は容易に開いた。
一歩、足を踏み入れる。
「お邪魔します」
暗くて不気味なところは前と変わらない。でも、モンスターと呼ばれる生き物がいる気配がしない。
「すいませーん。どなたかいらっしゃいませんかぁ?」
声を張り上げ、語尾を伸ばして尋ねる。ここにいた者たちはみんな、勇者が倒してしまったんだっけかな?
「すいませええええええん!」
ユリアナが転移魔法で辿り着いた場所は、エンディングのちょっと前までいた魔王城と呼ばれる場所。転移魔法は黒魔導士には使えないし、むしろ聖女しか使えない。それにこの魔王城は、あっちとちょっと次元が違うから、クリスもすぐには追ってこないだろう。
とにかく、あのヒロインとクリスが出会うまで、クリスからのプロポーズから逃げなければならないと考えた。
いや、いっそのこと他の人と結婚してしまえばいいんじゃない?
そんなことまでユリアナは考えていた。
だったら相手は誰? 続編に出てこないキャラがいいなぁとか、そんなことを考えていて辿り着いたのがこの魔王城。
魔王は倒された。けれど、多分、死んではいない。ゲーム内では倒されたという表現しかしていないから。多分、生きている、と思う。
「こんにちは」と恐る恐る門を開けてみる。魔王を倒す前は封印されていて、その封印を解かなければ開けることができなかった門。今回は容易に開いた。
一歩、足を踏み入れる。
「お邪魔します」
暗くて不気味なところは前と変わらない。でも、モンスターと呼ばれる生き物がいる気配がしない。
「すいませーん。どなたかいらっしゃいませんかぁ?」
声を張り上げ、語尾を伸ばして尋ねる。ここにいた者たちはみんな、勇者が倒してしまったんだっけかな?
「すいませええええええん!」