勇者からのプロポーズはお断りいたします。
「うるさいニャ」

「うわ」
 シェーのようなポーズを思わずしてしまうユリアナ。

「フライムート様が休んでいるんだから、静かにしてほしいニャ」
 語尾にニャがついている。

「どちらさまですか?」
 ユリアナが声をかける。

「それはこっちのセリフだニャ。せっかく戦いが終わって、ゆっくり休めると思ったのに。誰が来たのかニャ?」

「あ、私、聖女ユリアナです」
 自分で言っちゃったよ、聖女って。

「ニャンと」
 なんとがニャンと。「また、フライムート様を倒しに来たのかニャ」

 やっと、そのニャンとくんがぼんやりと姿を現す。猫だった。

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