勇者からのプロポーズはお断りいたします。
☆☆☆
「なんだ。私の出番は終わったのではないか?」
かつて魔王と呼ばれていたフライムートがベッドの上で本から視線をうつさずに言う。
その姿はあのときと同じ黒い髪の黒い瞳。長い髪を一つの三つ編みにしているところが、ちょっとかわいい。多分、邪魔なんだろう、と思う。その気持ちはわかる。
「ええと。具合はどうかな、と思って。お見舞いに来てみました」
ユリアナが答える。
「見舞いだと?」やっとフライムートがユリアナに視線をうつした。
「その割には手ぶらじゃないか」
あ、バレた。正直に、勇者との結婚が嫌だから逃げてきた、って言った方が良かったのかな。
「フライムート様。聖女ユリアナは手ぶらではありますが、その回復魔法でフライムート様のお身体を癒したいということですニャ」
「なんだ。私の出番は終わったのではないか?」
かつて魔王と呼ばれていたフライムートがベッドの上で本から視線をうつさずに言う。
その姿はあのときと同じ黒い髪の黒い瞳。長い髪を一つの三つ編みにしているところが、ちょっとかわいい。多分、邪魔なんだろう、と思う。その気持ちはわかる。
「ええと。具合はどうかな、と思って。お見舞いに来てみました」
ユリアナが答える。
「見舞いだと?」やっとフライムートがユリアナに視線をうつした。
「その割には手ぶらじゃないか」
あ、バレた。正直に、勇者との結婚が嫌だから逃げてきた、って言った方が良かったのかな。
「フライムート様。聖女ユリアナは手ぶらではありますが、その回復魔法でフライムート様のお身体を癒したいということですニャ」