勇者からのプロポーズはお断りいたします。
 さすがだよ、ニャンとくん。見た目は十歳の男の子だけど、中身は何歳?

「はい、ニャンとくんのおっしゃる通りです」

「ニャンとくんとは、僕のことかニャ?」

「あ。だって、お名前聞くのを忘れていたから」

「僕には名前が無いニャ。だから、その名前でいいニャ」
 ちょっとニャンとくんが嬉しそう。でも、名前が無いならもう少しきちんとした名前をつけてあげたいような気もする。

「ニャンとくん。ちょっとニャンとくんの名前はかっこ仮で。あとで、きちんと一緒に考えましょう。あれ? じゃあ、魔王はニャンとくんのことをなんて呼んでいたの?」

「おいって呼ばれているニャ」
 それは名前ではない。

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