勇者からのプロポーズはお断りいたします。
「お前たち。私を無視して勝手に話を続けるな。それで、聖女は私に何をしてくれる、と?」
 ユリアナとニャンとくんが仲良く話をしていたからか、魔王フライムートは少しいじけてしまったようだ。

「そうそう。あなたのね、ケガの具合をみにきたの。回復魔法が必要であれば、と思って。でも、よくよく考えてみたら、私の聖魔法を魔王にかけてもいいのかしら?」

「魔王と呼ばれているが、聖属性に弱いわけではない」

「そうですニャ。魔王とは魔力を持った者たちを統括する王のことだニャ」

「え。そうだったの? どこにも悪い要素が無いじゃない」

「その通り」

「え? じゃあ、何で私たちはあなたのことを倒したの?」

「それは、お前が勇者と結婚するためだろう?」

「え? そういうことなの?」

「そういうことだ」

「じゃ、私がクリスのプロポーズを断ったら?」

「私のやられ損だな」

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