エリート副操縦士は年下妻を過保護に愛を注ぎたい。
「そうだ、結婚式はどうするの?」
「うん。早めにしようって律さんと話をしてる。おばあちゃんに早くドレス姿見せたいし」
「私も見たいなぁ……可愛い柚葉ちゃんの晴れ姿だものね」
話をしていれば介護士さんに連れられて律さんがやってきた。今日はくる予定じゃなかったはず……
「起きたら寝れなかったから、俺も真智さんに会いたかったし」
「あらあら、嬉しいわね〜」
おばあちゃんはそう言って嬉しそうに律さんに微笑んだ。律さんとおばあちゃんはとても仲がいい。名前で呼び合うくらいで私が大学に行ってて彼が仕事じゃない時はよくここにきているらしいし、私とよりも嬉しそうだから何だか複雑な気分だ。
「二人ともデェトでもして来れば? 新婚さんなのに私のところにいるのは勿体無いわよ。ここには優しいスタッフさんもお友達もいるから」
「でも、おばあちゃん。今きたとこだよ」
「それでもだよ。せっかく、律さんがお休みなんだから」
おばあちゃんは私たちにデートをして来いと追い出すようにゴリ押しをした。だから帰るしかなくて、滞在時間三十分ほどで施設を出ることになった。