エリート副操縦士は年下妻を過保護に愛を注ぎたい。
「おはよう〜柚葉」
「おはよう、奈津ちゃん」
大学に着き、講義のある教室へと向かうと後ろから肩を叩かれて振り向くと入学してから仲の良い仲野 奈津ちゃんが挨拶してきた。
「今日も疲れてる? 目の隈すごいよ」
「あー……最近、内職も始めたから」
「え、飲食店にアパレル店掛け持ちしてるよね!? 内職もって……」
「たくさん稼がないと学費も払えないし、おばあちゃんのヘルパーさん頼むお金もないから」
奈津ちゃんには、家のことは全て話している。ある程度の事情は知っていてくれているからいつも助けてくれている。本当に感謝でいっぱいだ。
「おばあちゃんのためって言っても、柚葉が倒れたら元も子もないじゃない。この前も倒れたとこなのに」
「ははっ……ごめんね、あの時は。でも今は元気だし」
私は講義室の後ろへ並んで座ると、ノートとふでばこを机に置いて教科書も出す。
「そういえば、最近は空港には行ってないの?」
「そうだね……行ってないな。行く余裕全くなくて」