エリート副操縦士は年下妻を過保護に愛を注ぎたい。

 
  (律side)


「ふふふ〜ん」


リビングにはリズムよく野菜を切る音と、柚葉ちゃんの鼻歌が響いている。


「柚葉ちゃん、ご機嫌だね?」

「あっ……ごめんなさい。うるさかったですか?」

「いいや、柚葉ちゃんが楽しそうで嬉しいよ」

「う、うるさかったら、遠慮なく言ってくださいね!」


 柚葉ちゃんは、恥ずかしそうに頬を赤く染めて誤魔化すように野菜を切り始めた。

 やっぱり可愛いな……なんて思いながら彼女を見ていると料理をしているからか髪を一つに纏めている。
 料理をする姿なんてあまり見たことなかったから気付かなかった。

 ……なんとも、色っぽい。無性に触れたくなる。


「あの、律さん。私、何か付いてますか?」

「いや、そういうわけじゃない。可愛いなって思ってね」

「……っ……そういうこと、不意打ちで言わないでください! もうっ」


 もっと顔を真っ赤にした柚葉ちゃんは「もうすぐ出来ますよー」と言って目を逸らした。


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