エリート副操縦士は年下妻を過保護に愛を注ぎたい。
柚葉ちゃんが作ってくれたのは、簡単だからと俺がリクエストした焼きそばだった。
「口に合うといいのですが……」
ソースの香ばしい香り、肉の代わりにツナ缶を入れたらしく風味が全く違う。野菜もとても甘くて……美味い。
「どうですか?」
恐る恐る聞いてくる柚葉ちゃんは本当に可愛い。
「とても美味しいよ。このソースは特に」
「本当ですか? 良かった……焼きそばソースを買うの忘れてしまったので、作ったんです」
「え、手作りなの? ソース……」
「はい。オイスターソースとケチャップ、しょうゆ、酒に砂糖、ごま油で作りました」
柚葉ちゃんは「良かったぁ」と言いながら焼きそばを口に運んで幸せそうな笑みを浮かべている。
この子、有能すぎない……? 女の子としてのモテ要素をたくさん持っている気がするんだが。
「律さん、夜は本当にカレーでいいんですか?」
「うん。だけど、疲れてはない? 疲れてるのなら、デリバリーか外出もいいんだよ」
「私は大丈夫ですよ。料理は好きですし、律さんに食べてもらいたいから」
何、この子天使すぎない?
可愛くて、気遣いも出来て、料理も上手。家事スキル半端ないんだが。
「じゃあ、楽しみにしてる」
「はい! 精一杯頑張ります!」
そして、その晩。
夕食に出たカレーライス。
「クミンとコリアンダー、買っておいて良かったです。ヨーグルト買っておいて良かった」
柚葉ちゃんは、なんとスパイスのクミンとコリアンダー、ヨーグルトからカレーを生み出していて……それは、何とも言えない美味しさだった。