エリート副操縦士は年下妻を過保護に愛を注ぎたい。
この家から大学まではバスで三十分。以前住んでた場所はバスとか電車を乗り継いでだったからバス一本で行けるようになって本当に交通の便がいい。
バス停から降りてすぐに見える大学を背にして私は大学とは反対側にあるカフェに入った。
「いらっしゃいませ〜お好きなお席にどうぞ」
この時間帯だからかあまり人はいなくてガラガラだ。だけど、それがよかったりする。
それにこういう生活、憧れていたんだよね……今までならアルバイトでせっせとレジ打ちやらしていたし、外のバイトがない日は内職をしてギリギリの時間まで過ごしていたから。
こうやってゆったりした時間を過ごせるのはやっぱり、律さんと結婚できたおかげだ。強行突破な感じで結婚することになったけど、今となってはメリットばかりだ。だけど、律さんにとって私との結婚は果たしてメリットはあったのだろうか……と考えるようになった。
「……だけど、あっちからの提案だしメリットはあったんだよね」
そんなことを呟きながら、私はメニュー表を見てアイスティーとチーズケーキを頼んだ。