エリート副操縦士は年下妻を過保護に愛を注ぎたい。
レストランから部屋に戻ると、律さんは「お風呂、先に入って」と言った。
「あの、律さん……私っ」
「……柚葉ちゃんも疲れてるだろうからさ」
「そう、ですね。入ります」
そうだよね、私は大学生で律さんは立派な大人で……結婚したと言っても、子どもには欲情しないよね。
「ごめんなさい」
「……柚葉ちゃん、どうして謝るの?」
「なんでもありません。お風呂入ってきます」
律さんはかっこいい。
だから、きっと綺麗な女の人も可愛らしい女の人もたくさん見て来たはずだ……こんな平凡で、普通の体型の私なんて。
大体、私と結婚したのだって本当に一目惚れなのかわからない。私の境遇で哀れだと思ったのかもしれない。それとも……いや、考えるのはよそう。だって、結婚式が終わって素敵なディナーもご馳走していただいたんだから。
おばあちゃんにもウェディングドレス姿見せられたんだもん……よかったんだよ。
服を脱いで浴室に入り、シャワーで全てを洗い流すようにお湯を頭にかけた。頭を洗って、体も丁寧に洗う。
今日は何もないけど、匂わないように入念に洗い湯船に浸かった。