エリート副操縦士は年下妻を過保護に愛を注ぎたい。
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「先に入らせてもらって、ありがとうございました」
「そんなのいいよ。俺も入ってくるね」
律さんはスマホを弄っていて、私が現れたらすぐに浴室の方に駆け込んで行ってしまった。
やっぱり期待してしまったのがダメだったのかもしれない。結婚して妻になったとしても、お子ちゃまに下心を持たれても嬉しくはないよね……
私はため息を漏らしながら、ソファの上で体操座りをして顔を伏せて一人唸った。
こういうとこがいけないんだとわかってはいるけど……唸らずにはいられなかった。
「……柚葉ちゃん?」
「律、さん。あっ、おかえりなさい」
「うん。ただいま」
頭を上げると、ほんのり濡れている髪と頬がピンク色になっている律さんがいていつも以上に艶っぽい。
「……柚葉ちゃん、こっちおいで。髪がまだ濡れているよ、乾かしてあげる」
「えっ、でも」
「いいから。早くこっちおいで」
そう言って律さんは私をグイッと引っ張りコンセントのある化粧台にある椅子に座らされた。彼は優しく髪に触れてドライヤーの温かい風を髪に当てて丁寧に乾かしていく。
あったかい風と優しく触れる彼の手が気持ちよくて眠気が襲ってくるのがわかる。