エリート副操縦士は年下妻を過保護に愛を注ぎたい。
「柚葉ちゃん、眠い?」
律さんに問いかけられて私は頷くと自然に欠伸が出る。
「もう少しで終わるからもう少し待ってて」
「……はい、ありがとうございます」
それから数分でドライヤーが終わったらしく、温かい風が止み櫛で髪を整えられた。
「柚葉ちゃんの髪って本当に綺麗だよね。サラサラで、触ってて気持ちがいい」
「そう、ですか? 律さんに言われるのは嬉しいです。ありがとうございます」
「……じゃあ、片付けしてくるね。ベッド行ってて」
ベッドで何かあるわけではないのにその単語だけでドキドキしてしまうのはまだ期待をしているからだろう。
私はすぐ横にあるダブルベッドに移動して腰を下ろす。するとすぐに律さんがやってきて隣に座った。
「終わったね、結婚式」
「……はい。そうですね」
「柚葉ちゃん、綺麗だった。とても」
「……律さんも、とてもかっこよかったです」
かっこよかった。
この人が本当に私の旦那様なのか疑っちゃうくらいに……
「柚葉ちゃん。話があるんだ」
「……え? 話、ですか?」
もしかして、もう結婚式もしたから別居しよう……とか? 入籍して、式を挙げた。その事実が欲しかった、だけ……?