エリート副操縦士は年下妻を過保護に愛を注ぎたい。

「君を抱きたいと、思ってる」

「……っ抱き！？」


　今、律さん『抱きたい』って言った？
　

「……無垢な君に、こんな思いを持っていること自体ダメだと思うが俺は柚葉ちゃんが欲しい」

「わたし、も、律さんが欲しいです……っ」


　律さんは私を見つめると、頬に優しく触れて「……可愛い」と呟いて、そっと唇を重ねた。


「……んんっ」


　軽く唇に触れたような口づけだったのに、だんだんと深くて甘いキスになっていくのがキスすらしたことのない私でも分かった。息をどうやってしたらいいのかわからなくて、彼の胸板を押して離れてほしいと懇願する。
　だけど、それは逆効果だったようで後頭部を掴まれてしまい離れるどころじゃなくなる。だが、苦しかったのが気持ちよさに力が抜けそうになる。


「……っ……」


　あんなに離れて欲しいと思っていたのに彼の唇が離れてしまうと、名残惜しいと感じてしまっている自分がいた。


「そんなに気持ちよかった？」

「……よく、わからない、けど。初めてだったし」

「初めて？　キスが？　もしかして、柚葉ちゃんって彼氏いたことないの？」


　この場でそんなこと聞くの？とか思ったけど、私は「いないです。好きな人、できたこともないから」と恥ずかしくて俯きながら言った。


「そっか、……そうなんだ。俺が、初めてかぁ」

「すみません、経験、なくて」

「いや、嬉しいよ。だけど、キスだけでそんな真っ赤になってたらこれから保たないよ？」

「……っえ」


　彼はチュッとリップ音を立ててキスをする。