エリート副操縦士は年下妻を過保護に愛を注ぎたい。
「……今夜はここまでにしよう、焦ることないと思うし」
「っ、な、なんでですか」
「柚葉ちゃんとはゆっくり、進めていきたいって思う」
律さんは『抱きたい』と言った口で、『ここまでにしよう』と言った。焦ることはないって言ったけど、それって私に、抱く価値はないってことなのかな。それとも、こんな何も知らない私はいやだって思ったのだろうか。
もっと触れてほしい。もっと、キス以上のことしてほしいって思ったのに嫌われたくなくて怖くて物分かりのいい子のように笑った。
「……そう、ですね。そうします」
その後、私たちはダブルベッドに横になってただただ静かに眠った。