エリート副操縦士は年下妻を過保護に愛を注ぎたい。
二限とお昼挟んで三限だけだ。十五時には終わる。奈津ちゃんとはほとんど同じ講義を取っていて、今日も一緒の授業。
「そういえば次の講義で提出のレポート出来た?」
「うん。この講義終わったら出しに行く予定だけど、奈津ちゃんは?」
「まだなの。全然できなくて! 見せて〜」
私は手を合わせてお願いされて「しょうがないな」と言ってファイルからレポートを出すと奈津ちゃんはスマホのカメラでパシャパシャと撮影していた。まぁ、それでカメラの音が響いてしまって怒られちゃったのは当たり前だけど……。
授業が終わり、私は奈津ちゃんと一緒に大学を出ると大学の最寄駅へと向かった。
「十六時には着くね」
「うん、そうだね。楽しみだなぁ」
特急電車の普通車両に乗り込むと、空席に座る。
「そういえば、柚葉は航空関係で働きたいんだよね?」
「うん。働きたいなぁって思ってる。でも、おばあちゃんを一人にはさせられないもん……無理かなって」
「……そうなの? 英語堪能なのに勿体ない。あ、これ食べる?」
奈津ちゃんが大手メーカーのスナック菓子の封を開けて差し出したので一つ貰った。その後も話をしたりして過ごすと空港にあっという間に到着した。