エリート副操縦士は年下妻を過保護に愛を注ぎたい。
考える余地もないですよね
……え? 今、なんて言ったんでしょう?
結婚とか何とかって聞こえた気がするんだけど。空耳、だよね。
「えっと、もう一度言ってもらってもよろしいでしょうか? 結婚って聞こえたのですが……」
「そう言ったからな。一目惚れだ」
「私たち、昨日が初対面ですよね? それに一目惚れする場面はないと思うのですが」
昨日といえば、私が倒れて起きた時が初対面だしそこに一目惚れの要素全くないと思う。どう考えてもない。
「そうだな。確かに、だが昨夜の病室で不覚にも可愛いと思ってしまった」
「え……」
「だから結婚してほしい。君しかいないって思うんだ」
「私、未成年ですよ。保護者の同意なしには結婚できません。それにあなたのこと、知らないことが多すぎます」
私は結婚を阻止しようと拒否の言葉を並べたのに彼の方が一枚も二枚も上手でどれも交わされてしまった。
「私には、認知症の祖母がいるのでご迷惑をかけてしまいます」
「あぁ、そのことなら心配はないよ。お祖母様のヘルパーさんから手紙を預かってきた」