ビター彼氏を甘くさせたい。
どれだけ冷たくされても、彼女扱いされなくても、その微量の甘さに溶かされるせいでぜんぶ許してしまう。
次の日、『茶色いもの見れない』だとか言い出した果緒くんはやっぱりビターだったけど。
きっとわたしは果緒くんに飽きられない限りは、なにがあっても別れを選ばないんだと思う。
「じゃあ、果緒くんに質問!」
わたしのクッション、彼の腕の中でだんだんと潰れていってる。
たまに、それに顔をうずめてるから、かわいい。
「嫌な予感する。やらなくていい」
「やだ、やる!そのクッション取り上げる!もん!」
どこまでも無愛想なことしか言わないものだから、彼の持つクッションを掴む。
果緒くんに抱きしめられてるクッションなんか、羨ましい!ずるすぎる!