※ちょろい私に本当の恋を教えてくださいっ
動作一つ一つに柑橘系の匂いが揺れて、
意識が歪む
いい匂いだなぁ……
私が変態みたいじゃん。
「風邪ひく前に帰ろう」
学校を出て、駅まで2人で歩きました
「ずっと雨だね」
「そーだね」
雨のせい、だよね
肩が触れそうな距離に
狂わすような星咲くんの匂い
思わず自分の肩が揺れて
トンッとぶつかってしまいました
「あっ、ごめ」
ぶわっと顔が赤くなるのが自分でも分かってしまう
「ははっ、赤いね」
「はい…」
笑わないでよ…と、星咲くんの顔をのぞき込むと
視界に入ったのは、
シャツの肩が雨でずぶ濡れになっている姿
「えっ、星咲くん肩ずぶ濡れ…」
ごめんね…
ふかないよりマシかな、
わたしは、自分のポケットからハンカチを出して星咲くんの肩にポンポンと当てました
「こんなの大したことないのに、優しいね」
「優しいのは星咲くんじゃん…ごめんね」
少しはマシになったかな…と
思いながら拭いていると