君は冬の夜に咲いた【完】
────…就寝前、コンタクトから眼鏡に変えた。元々、私が目が悪い。
だからこの目が見えなくなると思ったら、本当に怖くなった。
乙和くんはずっとずっと、この見えなくなっていくという恐怖と隣り合わせで生きていかなければならない。


その日の夜、乙和くんが言っていた病気を詳しく調べた。乙和くんの言う通り、〝視野が狭くなる病気〟で指定難病にされていた。




4000-8000人に1人

全国に3万人

50パーセントで遺伝でする

日本人の遺伝子に多い

夜盲

視野狭窄

個人差がある進行性

最終的には失明してしまう




進行性だから、軽度の人は死ぬまで変わらない人もいる。重度の人は40歳ほどで失明してしまうらしく…。


指定難病だからか、どのサイトを見ても進行を遅らせることはできるが、治療法は無いと書かれていた。




重度の人は40歳…
でもこれは、ネットの中の知識。
もっともっと重度ならば、1年後には見えなくなってしまうかもしれないから…。



泣きそうなのをこらえ、す…っと息を吸った。



一日目からこんなのじゃだめだ……。



乙和くんが、ずっとずっと、笑顔で過ごせるように……。
< 34 / 44 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop