この恋は、『悪』くない。ー番外編ー ボクが見た世界
『再会』
「アメ、山咲って覚えてるか?」
今日は焼き鳥ですね!
何かいいことがありましたか?
「見掛けたんだよね、昨日…」
ボクの大好物です
ニャー…
ここに来て長くなりました
いろいろなことを覚えました
そのひとつが
焼き鳥がおいしいということです
早くください!
ニャー…ニャー…
「ちょっと、まて…
…
酔っぱらいに絡まれてて…
あ、けどオレも少し酔ってたからな…
夢かな…?」
ニャー…
早く!早く!
待ちきれなくて
ボクはアナタの手に絡みました
「まぁ、もぉ会うこともねーし…
会ってもな…
10年経ってんのに今更さ…
…
ほら…よく噛んで食えよ」
いただきます!
ニャー…
今日も美味しいです
「けど…10年経ってんのに
オレ、たぶん
まだ山咲のこと好きだわ」
どぉしたんですか?
アナタは食べないんですか?
「ヤベー
オレ、変わんねーな…
中学生のまま…ガキじゃん」
なにかトラブルですか?
食べないなら
ボクがもらいますよ
「山咲は、変わってた
…
少しメイクしてて、綺麗になってた
…
フ…オレ、こんなだし…
こんな身なりじゃ、名乗れなかったわ
…
名乗ってもオレのことなんか
覚えてねーだろーし…
…
友達にオレみたいなヤツと知り合いとか
思われたくねーだろーし…」
どぉしました?
ニャー…
アナタの焼き鳥に手を伸ばしました
「まて、まて…
オマエ、ホントに焼き鳥好きだな」
ニャー…ニャー…ニャー…
早くください!
「ほら…」
今日は食欲ないんですか?
でも機嫌は悪くなさそうですね
気前のいいアナタも好きです