この恋は、『悪』くない。ー番外編ー ボクが見た世界

外は雨ですね



「ただいま、アメ」



おかえりなさい



シャンプーの匂いと同時に

アナタが入ってきました



今日はソファーに直行ですね



よくないことがあったんですね

いつもならボクを撫でてくれるのに…



どぉしましたか?

また雨が降ってますか?



ソファーの上の

アナタの顔をのぞき込みました



かろうじて

まだ雨は降ってないようですね



よかったです



「フー…

アー…」



アナタから

変な音がしますね


大丈夫ですか?



「山咲、結婚してた

ネームプレートが
もぉ山咲じゃなかった

そりゃ、してるか…
もぉオレら、25だし…」



最近のアナタは

少し浮足立ってるように感じてましたが

今日は様子が違いますね



ニャー…



アナタが触れてくれないので

ボクからアナタに

カラダを寄せてみました



「アメ…
オマエはずっと
オレの近くにいてくれるな…

ありがとな…
10年も一緒にいてくれて

これからも
一緒にいような…

やっぱ、オレ
アメしかいねーわ

親父死んで1年経ったし…

兄貴も帰ってこねーし…

山咲、結婚してたし…

ハー…
オマエだけだ
オレを裏切らないのは…アメ…」



やっと

撫でてくれましたね



ニャー…



「アメ…今日もかわいいよ」



ーーー



ニャー…



どぉですか?

ボクの

猫なで声



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