この恋は、『悪』くない。ー番外編ー ボクが見た世界

「アメ、ただいま」



おかえりなさい



ニャー…



ん?

誰ですか?



この部屋に

アナタが他の人を連れて来るのは

初めてですね



「アメオ…」



久しぶりに聞く響き



ボクはアメですよ



いつもボクとアナタしかいない部屋



知らない人が

ボクをのぞき込みました



誰ですか?

ちょっとこわいです



背中の毛が立ちます



「アメオ…」



ボクの前に指し出された手に

ボクは鼻を近付けました



どこかで会ったことがありますか?



優しくて

甘い匂いがしますね



微かにアナタの匂いもします



アナタが連れてくるのだから

悪い人ではないんでしょうね



なんだか

今日のアナタは

少し嬉しそうですし…



いつものように

アナタはボクを抱いてくれました



アナタの腕から

今日来たこの人の腕に

ボクは渡されました



この人も

温かく

ボクを包んでくれました



きっと優しい人なんでしょう



まさか

ボクをこの人にあげるのですか?



できればボクは

アナタといたいです



ゴロゴロゴロ…



そう思いながらも

喉が鳴ります



この人は

アナタより柔らかくて

確かに気持ちいいですけど



ボクは

アナタが好きですよ



長い付き合いじゃないですか



ボクは

アナタといたいです



ゴロゴロゴロ…



なにやら

ふたり

楽しそうですね



見たことがあるような

この光景



この人に抱かれるボクを見ながら

アナタはいつにも増して

優しく笑ってます



ニャー…



とりあえず

ボクも幸せです



きっと

ふたりも

幸せなんですね



温かい気持ちになります

いつかみたいに



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