ラストノートは滴る溺愛で
その翌朝も、滝 ほのかは現れなかった。

この三年で一週間以上も顔を出さなかったことは一度もないのに。

それが気がかりで、仕事も注意散漫になるほどだ。


「、、、今日は止めるか」


早々に仕事を切り上げ、帰り支度をしていた。

―リーン―

ハッとしてドアに視線を移す。

「あぁ、なんだ亜里沙か、、、」

咄嗟に出た本音に自分が驚いた。

まるで、待っていたかのような落胆ぶりだ。

こんなの俺じゃない。
特定の誰かを思い、振り回されるなんて。

「え?ごめんなさい。誰かと会う予定だったかしら?」

「いや、何でもない。今日はどうした?」

「しばらく控えるって約束だったんだけど、どうしても会いたくなって、、、」

「そうか、、、」

「怒らないの?舜介?」

「今帰るとこなんだ。来るか?一緒に。」




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