ラストノートは滴る溺愛で
それぞれの夜
取引先の担当者の前に、香りのサンプルをいくつか並べる
―爽やかな柑橘系―
希望の香りを弱め~強めまでひと通り用意した。
「さすが、手嶌さんですね。どれも捨てがたいくらい、私は好きな香りです」
「そう言っていただけると光栄です」
「…ねぇ、このあとの予定は?」
艶っぽく指をなぞりながら、物欲しそうに見つめてくる。
わかりやすっ。
あからさますぎて若干の萎えを持ちつつも、特別断る理由もないのでそこは受けておく。
「では、ご希望は?」
「ワインの美味しいお店を見つけたんです。ぜひ一緒に。」
「喜んでご一緒させて頂きます」
「そのあとは…」
なにかを求めるように途中で言い止める。
それに応えるように俺は立ちあがり、彼女の前で手を差し出す。
当たり前のように自分の手を上に重ねる。
―爽やかな柑橘系―
希望の香りを弱め~強めまでひと通り用意した。
「さすが、手嶌さんですね。どれも捨てがたいくらい、私は好きな香りです」
「そう言っていただけると光栄です」
「…ねぇ、このあとの予定は?」
艶っぽく指をなぞりながら、物欲しそうに見つめてくる。
わかりやすっ。
あからさますぎて若干の萎えを持ちつつも、特別断る理由もないのでそこは受けておく。
「では、ご希望は?」
「ワインの美味しいお店を見つけたんです。ぜひ一緒に。」
「喜んでご一緒させて頂きます」
「そのあとは…」
なにかを求めるように途中で言い止める。
それに応えるように俺は立ちあがり、彼女の前で手を差し出す。
当たり前のように自分の手を上に重ねる。