満月の夜は彼と
立ち止まって空を見上げると

大きくて綺麗な満月が登っていた

ふと、あの時のことを思い出す

思い出しただけで、顔が熱くなって

お腹の奥のあたりがきゅんとする

もう何年も前なのにどうしてだろう


再び歩き始めた

すると、電柱の横に
人が立っているのを見つけた

なんだか怖いし、気持ち悪いから、早足で通り過ぎようとした

近づいていくにつれて、見覚えのある光景が目の前にあった

よくよく見ると、電柱に寄りかかっている男の人を知っている気がした

きっと彼だ。

私のファーストキスを奪った彼だと確信した

素通りしようか迷ったけど、放っておくわけにはいけなかったし、何かあったら嫌だから一応声をかけてみた


「あの、大丈夫…ですか?」

ドキッ

彼と目があった

やっぱりそうだった


< 3 / 3 >

ひとこと感想を投票しよう!

あなたはこの作品を・・・

と評価しました。
すべての感想数:0

この作品の感想を3つまで選択できます。

この作家の他の作品

公開作品はありません

この作品を見ている人にオススメ

読み込み中…

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop