幼なじみは最強総長〜同居したら超溺愛されました〜

緊張感が増したこの空気。


私もただ事ではないと察して朝陽の後ろに隠れる。


ああ、最後まで言えなかった。


朝陽に好きって言えなかったよ………。自分の運の悪さを呪いたくなる。


まさか、こんなことになるなんて思わなかった。桃菜ちゃん、助けてー。



「あのバイク………cheaterの山本か?」


「え、誰?」



という私の声は少し震えていた。


朝陽の服を無意識のうちにギュッと掴んでいて目をつむる。


ーブォン、ブォン。


バイクの音はさっきよりも大きくなっていて入口の方は塞がれた。


隠れようにも周りは開けた場所でベンチがひとつあるくらいなのですぐに見つかってしまう。



「よぉ、Skyblueの総長。久しぶりだな」



やがてひとつのバイクが朝陽の目の前に止まりゆっくりとヘルメットを脱ぐ。


低くてゾッとする声に顔を上げて相手を見る。
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