幼なじみは最強総長〜同居したら超溺愛されました〜

そーっと朝陽の前に座り、俯く。



「心美が、無事で良かった……」


「え?」



顔をあげたと同時にぎゅっと抱きしめられた。てっきり怒られると思った私は放心状態。


暖かさを感じて、朝陽の背中に腕を回す。



「ご、めんなさい。勝手に出かけちゃって。朝陽の言うこと聞かなくてごめんなさい」


「ん。心美が無事ならそれでいい。木下を助けたんだってな。さすが俺の幼なじみだ」



私を安心させるようにぽんぽんと頭を撫でてくれる。だけど朝陽に幼なじみと言われて胸がズキっと痛んだ。


………ズキっとするな。


朝陽は私を褒めてくれたんだ。



「朝陽、なんで私が桃菜ちゃんを助けたこと知ってんのよー……。メッセージは送ってないじゃない」


痛みを誤魔化すように朝陽の胸に顔をうずめる。


どうして好きな人の腕の中って安心するんだろ。あったかくて、心地よくて。
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