幼なじみは最強総長〜同居したら超溺愛されました〜
ードカッ!
朝陽は襲われたかと思ったら飛びかかってきた人物を背負い投げしてパンパンと手を叩く。
さ、さすが総長……。遠慮ってもんを知らないな……。
「いってー!朝陽くん、もう少し優しくしてよ!」
「無理だな。飛びかかってきたお前が悪い。ったく、渉は遠慮ってもんを知らないな」
「…………」
それ、朝陽が言います?
じとっと睨むような目で見た後、投げられた人物を見る。
「茶髪くん、大丈夫?」
名前はまだ知らないので茶髪くんと呼ぶことにした。今朝は私のビンタくらって、今は朝陽の背負い投げくらって……この人、苦労人だな。
「大丈夫!僕、強いから!」
はぁ………。
心配になって声をかけたらそんな答えがかえってきてポカン、とする私。
「それよりも」
「それよりも?」
「僕の名前は吉野渉(よしのわたる)だから。渉って呼んでね」