幼なじみは最強総長〜同居したら超溺愛されました〜
睨むわけでもなく、ただ驚いたように私を見ている。
不幸中の幸い、と言うべきか朝陽はジャケットを脱いでいてブラウスを袖まくりしていたので被害にあったのはブラウスとネクタイ。
ピンク色の頭は何事もなかったかのようにさわさわと風に揺れていた。
さっきまで熱かった頬がサーっと青ざめていくのがわかる。
頬が引きつって上手く口が動かせない……。
多分、朝陽は怒らないんだろうけど………なんか怖い………。
「朝陽………ご、ごめんっ。渉くんの質問にびっくりしたせいで……。制服びしょびしょ。ちょっと待ってて!」
はっと我に返り、お茶を吹き出したのを渉くんのせいにした後、ハンカチを濡らそうと慌てて立ち上がる。
周りのみんなはシン、と静まり返っていてさらに焦りが増してくる。
「あはは!朝陽、お茶ぶっかけられてやんの!あはは!」
「やべー。藤原さん、やっぱ面白いわ。ナイスだな」