約束は午後2時に、あの桜の下で

ついに､最終日が始まった。

最終日は工芸をやって、それが終わったら帰れるという内容だっった。

キミが選んだのはまゆ細工。蚕の繭の皮を使って1輪の花を作る細工だ。

キミはもちろん、アキ先生を想いながら作った。

作るのは大変だった。元々そんなに手先も器用ではないし、綺麗に作れるかどうか不安だった。

それに、アキ先生みたいな優しいまゆ細工を作れるのかどうか未知数だったし、とりあえず頑張って作った。けどー。

｢全然綺麗にできなかった…これじゃあ､アキ先生に見せられないよ……」とキミは涙目になりながらも､頑張って手直しした。アキ先生に｢見つけてもらった｣感謝の気持ちを心に込め、そして何とか完成させた。