約束は午後2時に、あの桜の下で
そして、帰りのバスの中。行きは泣いてたが、帰りは逆にワクワクしてた。クラスメートは皆さん熟睡中。キミは景色を楽しんでた。帰りはサービスエリアに止まらずに直接学校に帰るから、キミの心の中はワクワクと不安が混ざり合わさった感覚だった。

2時間後ー。学校に着いた。
学校に着くまえは、すごく緊張して、どんな顔してアキ先生に会えばいいのかずっと考えてたけど、やっぱり普段と同じ感じで振る舞うのが一番だと思い、いつも通りに振る舞いたかったけどー。

「おかえり、キミちゃん」と言った瞬間に、
「アキ先生、ただいま」と言いたかったのに、初めて下の名前で呼んでくれたのが嬉しくて逆に調子狂って泣いてしまった。

「今日初めてアキ先生が私の事を苗字ではなく名前で呼んでくれた…」と心の中で呟きながら、泣きながらだけど、
「アキ先生、ただいま」

「どうしたの。そんなに泣いて。そんなに嫌なことがあったの?」
「嫌なことなんて無かったけど、何でですかね?」
「ごめん、いつも通り月島さんって呼べなくて。キミちゃんってこれから呼んでいいかな?もしかしてそれが嬉しくて?」
「多分、そうだと思います。今までクラスの皆には全員呼び捨てで読んできたから。」
「それで、野外学習どうだった?」
「いつも通りでした。アキ先生に会えなかった事以外は。やっぱり寂しかったなって。」

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